ボクの弟のラクちゃんのこと

ボクが、ここで暮らし始めて、5ヶ月が過ぎたある秋の日。「カメ吉、弟が来たよ!仲良くしてね。」って、やって来たのが、楽なんだ。ラクって読むんだ。楽しいことがいっぱいあるようにって、名付けたんだ。
ラクは本当に小さくて可愛かったんだ。泳ぐ時もボクのあとばかりついてくるんだ。ボクは泳ぐのが得意だから、水槽の端まで泳いだら、かっこよくターンして、また端まで何度も何度も、泳いでいたんだけれど、ラクもまねしてターンするんだ。ふたり(2匹?)並んで、浮島で休んだり、いつも一緒だったんだ。

ボクが先に浮島に居たら、ラクも上がってこようとするから、その時は、ちょっと横に寄ってやって、ラクの場所を空けて、上がりやすいようにしていたんだ。でも、ラクが先に上がっている時は、ラクはまだチビだから、わからなくて、まん中にちょこんと乗っているもんだから、ボクの上がる場所はなくて、困ったこともあるよ。そんな時は仕方ないから、また泳ぐんだ。浮島に上がりかけて、ラクの姿が見えたら、また水に戻るボクを見て、だんなさんはよく、気を使わなくていいから上がるように言ってくれていたし、いくこは、カメ吉は優しいって妙に感動しているようだった。

夜はラクが先に眠るから、ボクはいつもラクの甲羅に手をあてて、しばらく見ててあげてたんだ。安心してるみたいだったよ。ボクたちはとっても仲良しで、ラクが大好きだったんだ。
でも、ラクはもういないんだ。この話をするとボクは悲しくなるから、いくこから話してもらうよ。ラクは天国にいるけど、ラクはずっとボクの弟で、そばにいなくてもボクたちはいつも一緒なんだ。