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イチゴの栽培
(イチゴ屋さんの1年)

 いちごの栽培は、たとえて言えば、ガーデニングに似ています。
心を込め、アイデアをこらし、いいものを作ること、それが楽しみなんです。

 6月中旬(子苗の確保)
11月下旬、定植初期に出た「ランナー」うち、生育状態のいいものを根の出ないうちに抜粋し、鹿沼土を敷いたトレーに密植して親苗にします。
翌1月上旬にポットに仮植、3月上旬に親苗としてプランターに定植し育成します。

この作業は省力化と苗の安定確保の為、親苗は全部 「三好アグリテック」 から購入する事にしました。

6月中旬から9月(子苗の育成)
親苗から出たランナーは、「阪中緑化資材」の 「空中ポットレストレー」 に採取、7月下旬には切り離し、15本ずつ、その「トレイ」で育苗します。
 移植された苗は、定植まで毎日2回の潅水と、随時病虫害の防除を行います。苗は土地から離し、防虫ネットを張ったビニール・ハウスの中で、病虫害や雑菌から隔離し、酷暑の間は寒冷紗をかけて、暑さから苗を守ります。


 7月から9月(本田の準備)
 本田では病害虫の防除を、できるだけ薬剤を使わずに栽培するため、夏の間ハウスを密閉し、水分を与えて、太陽熱消毒を行います。日中は80度近くにもなり、ほとんどの病害虫は死滅してしまいます。
9月初旬には、米ぬかや菜種油粕、魚粉を「EM菌」により発酵させた有機肥料、それに微量要素を加えて、「高設土耕」の全面に配付し、クワ等でかきまぜます。

 9月から10月(定植とハウス懸け)
 トレイで約2ヶ月間、朝夕2度の潅水で丁寧に育てられた苗は、9月下旬にハウス内の本田に定植されます。
ハウスかけは10月下旬、加温は11月上旬。この定植とハウスかけの時期が、収穫時期決定の重要なポイントとなります。


 11月から12月
 ハウス掛けが終われば、すぐに黒のポリ「マルチ」を敷きます。これで雑草を押さえ、雑菌の進入を防ぎます。
開花時期は11月上旬、開花と同時に「蜜蜂」を入れ、花の受粉作業を手伝ってもらいます。
また12月に入れば、「電照」を行い、イチゴに春が来たと思わせ、収穫時期を早めます。


 12月から翌年3月(培地暖房)
 いちごの生育を促進するため、「地中暖房」を使用します。
地中暖房は地上暖房に比べて、根から温めるため、いちご全体の生育をよくする効果があります。


 12月上旬
 苦労がみのり、真っ赤な実が色づいてきました。品種は甘さでは定評のある「さちのか」と上品な味と香りの「やよい姫」。
当園では「高設ベッド」に特殊な「土」を使用しているため、特別に甘いいちごが収穫できます。
追肥はすべて「コラーゲン入り」の有機肥料を使用し、水分をできるだけ押さえます。また当園では海岸に近い立地条件から、多少の塩分を含む為め、独特の甘さを醸し出すことが出来ます。


 12月から翌年5月(収穫)
 徹底的なわき芽の除去と摘果作業により、良質で大粒の果実が収穫できました。
栽培技術の工夫から、ほとんど消毒をする必要がありません。 また、出荷の際の品質の保持、厳選は言うまでもないことですが。



イチゴの技術設定数値

 イチゴ栽培のため、設定している数値は次の通りです。
ハウス内設定温度 昼間:25度(+−2度)、夜間:最低3度
培地暖房設定温度 通常:15度、寒冷時:16度
電照時間 PM7:00よりAM6時、7分/h
土壌水分 2.0
土壌導電率 0.5
目標糖度 17度
規格別収穫目標 贈答用:30%、3L・2L:50%、L・M:20%


使用する肥料と農薬

使用している肥料
育苗 培土二号
IBS1
苗移植時
苗育成時
潟Wャット
ジェイカムアグリ
育苗用に配合した培土
苗用固形肥料、2錠使用
基本 粒状過燐酸
炭酸苦土石灰
米ぬか
7月下旬
菱東肥料
上田石灰
***
[ 0-17.5-0] 土壌改良と微量要素補給
[15 ] 苦土含有
10a8袋以上施用
元肥 粒状油かす
魚ぼかし
IBS1
9月上旬 味の素
鞄券料製作所
ジェイカムアグリ
[5.5- 2- 1] 菜種粕のアミノ発酵有機
[ 6- 4-1.5] 魚粉をEM菌でぼかす
[10-10-10] 180日間肥効
追肥 粒状油かす
徳島苺配合
2月上旬より 味の素
潟Wャット
[5.5- 2- 1] 菜種粕のアミノ発酵有機
[ 5- 6- 2 ] イチゴ専用機肥料
液肥 NアップG-1
NアップG-3
コラーゲン酵素
随  時 潟Wャット
同上
***
[ 6- 6- 6] 活性アミノ酸含有
[ 2- 8- 8] 同上、徒長防止
[ 5- 8- 1] コラーゲン含有の有機液肥
改良 根粒菌
SS500
エキカル
随  時 ***
潟Wャット
同上
苺用根粒菌、定植時に使用
甘み、光沢の向上
液状Ca、根の活性化、土壌改良

使用している農薬
育  苗 バイオトラスト(微生物)、ベルクート
本  田 モスピラン、バリアート(殺虫)、ノーモルト(脱皮阻害)
アミスター、トリフミン(殺菌)

 いちごの果実が大きくなってからは、基本的に農薬の使用は行いません。
 また今年は「天敵」による害虫防除を行います。

「イチゴ屋さん」の3つの「こだわり」

最大の消費者は自分自身です。
「安全」で「美味しく」そして「高品質」を、自分のこととして考え、毎日研鑽に励んでいます。栽培方法も併せてご覧下さい。

 「あんぜん」にこだわります

苗は高床式の遮光ハウスで、定植するまで一切土と遮断し、病害虫の進入を防ぎます。
親苗はウィルスフリー株(無病苗)を補充して、病気に強い苗を育成しています。
真夏にハウスを密閉し、高温の太陽熱で土壌を消毒します。
バイオの力を借り、また強健な株を育てて、消毒を極力へらしています。
肥料はコラーゲン等の有機肥料、バイオ肥料を使用しています。

 「おいしさ」にこだわります

高設栽培でも、土作りを基本に考えた「高設有機栽培」に徹しています。
元肥は有機肥料を主体に、追肥は魚のボカシやコラーゲン入りを使用しています。
果実に反射シート等で太陽光をふんだんに当て、ハウス内の温度、湿度をさげ徒長を防ぎます。
特殊な培土のため、余分な水分や肥料の吸収がなく、味が濃くなります。
海岸線に近く、適度な塩分やミネラルが味に磨きをかけていると信じています。

 「ひんしつ」にこだわります

特殊な育苗ポットで、細根の発育を促し、強健な苗を作ります。
定植時にイチゴ専用の根瘤菌を使っています。
地中暖房で根を直接温め、発育促進と強健な苗を作っています。
早期に徹底的に、摘果とワキメ摘みを行います。
(悪の芽?は早く摘み取るのが、よろしいようで!!)。
収穫出荷の際、予冷等の品質保持、選別の厳選を図っています。

「ナンバー・ワン」から「オンリー・ワン」へ。
スーパーで安売りされるような、量産品は作りません。「違いのわかる」消費者に、よりいい物を提供したいのです。

また、単に勘に頼って 「こだわり」しているのではありません
最高の品質に保つ為、温度計、土壌水分計、肥料濃度計、糖度計等最新の機器を駆使しています


「高設(土耕)有機栽培」の概容

 当園の「高設栽培」は「土耕」です。私の考えに最も近い「土耕を高設にしただけ」と言う情報を入手、オリジナルな方法を加味して製作し、04年から栽培を始めました。
 一般的な「高設水耕栽培」と違って、「土」を培土とし、化成肥料を一切使用しません。また、水遣りや、施肥の自動化もしません。従来通り有機肥料の元肥と追肥、チューブによる水遣り、地中暖房、なんら変えていません。あえて「高設有機栽培」と名付けました。
 この方法でも設備投資をすれば、自動潅水、自動施肥はできます。しかし、イチゴ栽培にパソコンのコントロールは受けたくありません。自動化する事は、今までのイチゴ作りのキャリアを、自ら否定することに他なりませんから。
 なお、基本構造は 「ジャット」 さんのものを使用し、灌水、暖房や栽培は独自の方法で行います。

 「高設有機栽培」の仕組み
    「魚ぼかし有機肥料」がEM菌に
 よって分解され白い雪のように見える
 この栽培の基本は「土耕」です。従って「培土」の選択が重要な要素となり、育苗にも使われている特殊な土を、大量に使用します。当然、重量も重くなり、ウレタン系など軽い「高設水耕栽培」のような設備では、とても耐え切れません。その為、随所にそれなりの工夫がなされています。
 又、「培土シート」と「貯水シート」が分離され、その間を特殊な繊維で連結し、浸透圧を利用して水分や養分を補給し合い、出来るだけ無駄をなくし、廃液による環境への影響を少なくすると言う優れものです。


 「高設有機栽培」の構造
    「高設有機栽培」の構造
 「高設有機栽培」は次のような構造で成り立っています。
@「培土槽」と「培土」
A「貯水槽」「培土槽」の下にあり水や養分を貯める
B「潅水設備」従来と同じ「エバー・フロー」
C「培地暖房」不凍液使用の地中暖房
D「マルチ」と「防寒スカート」
E「イチゴ用エアー・マット」
上の写真には、すべてのパーツが写っていますが、全部認識できますでしょうか。

 「高設有機栽培」で期待される効果
@作業の容易さ
 イチゴ栽培の最大の障害、腰を曲げての収穫作業や、クワを使う畝たての重労働 から開放されます。
 また、天候によって左右されていた、定植遅れの心配もありません。

A作業の効率化
 イチゴが目の高さに近く、摘果や下葉、わき芽等が見つけやすくなります。
 また、手に近いため「動線」が小さく、作業が早く片付きます。

B水、肥料の効率的利用
 地球に施肥するような「土耕」に比べ、その範囲が小さく、少量の水と肥料で充分です
 しかも循環使用できるシステムになっており、環境にも優しくなっています。
 
Cエネルギーの効率的利用
 培土の範囲が狭く、「培地暖房」の効率も非常に高くなります。
 また、「防寒スカート」や「エアーマット」で太陽熱を有効に利用します。
 
D収穫期間の延長
 収穫後期になると、暑さや過繁茂の為、収穫を諦めてしまいます。
 作業がいきとどき、病虫害の発生を少なくできれば、収穫期間は延ばせます。


 なお、肝心のコストですが、設備は潅水、培地暖房とも従来のものを使用し、自動化設備も行わないので、非常に安くあがり、ヒモ付き補助金で設置した例より、安くなお且つ自由度の高いものが出来たと確信しています。

「高設有機栽培」の生育は順調です。晩生の「さちのか」にかかわらず、土耕に先駆けて、11月下旬から出荷が期待できます。視察した他の「高設(水耕)栽培」よりはるかに順調。県内でもTOPクラスと自認しています。
また、「高設有機栽培」は「土耕栽培」より品質、食味にすぐれています。「高設水耕栽培」は水っぽいというのが定説ですが、この栽培方法が正しいことが立証されました。


おいしいイチゴを作るには

一言でいえば、 一つ一つの果実に十分な栄養を与えることと考えます。
栄養と言っても肥料のことではありません。
太陽によってもたらされ、光合成により生産された、限られたエネルギーを、果実に効率よく消費させること です。
その為には思い切った摘果で果数を調整し、余分なエネルギーを消費をするワキメや葉を除去し、エネルギーの生産と消費のバランスをとる。まず、これがすべての基本です。
肥料や農薬などは第二儀的なテクニックの問題です。
但し、大粒のおいしいイチゴは出来ますが、全体の生産量は少なくなるかも判りません。
しかし、それは自分のポリシーですから・・・
おいしいと言って下さる皆さんの笑顔、それが何よりの励みなのです。

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