小笠原花鳥風月
ヒギリ
撮影 父島北袋沢 平成12年7月31日
ヒギリの蕾
この時季、常世の滝の上から時雨谷を見下ろすと、
鬱蒼(うっそう)としたジャングルの中に赤い花が咲いているのが見えます。
周りがほとんど緑一色なので、この赤い花は良く目立ちます。
これは「ヒギリ」という植物で、
記録では明治12年に小笠原へ移入されたとされています。
このように島に移入されて、その後定着してしまうような植物を
大別して「帰化種」と言いますが、
「ヒギリ」の場合、ガジュマルなどのように
移入された後、やがて島全体にまで広がって
小笠原の植生に影響を与えてしまうようなものとは
その存在感が少し違うようです。

この花が咲いていた付近には
民家があったような形跡があったので、
かつての住人がこの場所にヒギリを植えたのかも知れません。
「小笠原植物図譜」にも、
父島では大村〜扇浦にかけての屋敷跡、道路沿いに
野生化したものが見られるが、個体数は少ないと記されています。
ヒギリの葉
常世の滝が落ち、川となって流れ始めるすぐ脇に
この植物は茂っていますが、そこには大量のアメンボも見ることが出来ました。
始めにこの姿をカメラに収めた瞬間、
その脚の多さから、アメンボって「昆虫」じゃなかったっけ?
と自分の常識を疑う心境になりましたが、
よく見ると、これは二つの個体が重なり合って、
脚の数が倍に見えていたのです。
こんな格好をしたモノがいくつもスイスイと水面にいましたので、
この時季はアメンボにとって繁殖期なのかもしれません。
少し濁った水面をスイスイ進むアメンボ
この植物に関する情報の一部は、
偶然、現場に居合わせた島のフィールドガイド、
原田さんに教えていただきました。
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