問
@食害の調査報告書はだされているのか。
A今後も調査は継続されるか。継続されるとすれば、予算はどうするのか。
B調査結果を、農家に農家に報告する義務があると思うが。
答
@オオコウモリの食性、摂食行動、食物の嗜好性、農作物の被害状況等が明らかにされる結果が出された。これにより対策等の検討を図っていきたい。
Aオオコウモリが国の天然記念物である点を認識した上で、関係機関とどのような調査を実施していくか検討していきたい。村事業として必要であるならば平成12年度予算に向けて考えていきたい。
B農家には協力してもらったので、わかりやすく説明し、むしろ意見をもらいたいと思っている。
以上「おがさわら議会だより・47号」より抜粋
1999年1月13日には父島在住のカメラマンによりルーストCの更に山側25メートルにルーストC`が発見された。聞き取り調査とビデオテープによりルーストCと同程度の規模で棲息していることが分かった。ビデオテープには幼獣を抱いた雌一個体と、非常にお腹の大きい雌一個体が写っており、またここでも交尾活動らしい行動が見られていた。その後の写真解析により幼獣の前腕長が親雌の前腕長の約75%であることが分かった。オガサワラオオコウモリの成長曲線は分かっていないので、エブラオオコウモリの飼育個体の成長曲線に当てはめてみると生後1〜2ヶ月、あるいはそれよりも若いのではないかと推測された。
以上、平成10年度・天然記念物緊急調査報告書より転載。
記事中のルーストCなどの表記が分かりづらいと思いますが、調査報告書には参照資料として父島の地図が載っており、オオコウモリのネグラが発見された地区を「ルーストA、B、C・・・」と仮称しています。また、文中の父島在住のカメラマンとはこのサイトの作者のことで、 この映像については 「BONIN FLYING FOX 6 世界初の映像?」でも解説しています。
ヲガサハラオハカウモリーーー小笠原大蝙蝠(方言 コーモリ[小笠原各島及北・中両硫黄島])。
学名 Pteropus pselaphon Lay, 1829.
小笠原諸島及硫黄島列島の特産である。文久年間小花作助の一行に依つて捕獲された頃は、甚だ多く長桿で打ち落と之を捕ふ有様であつたと云うが、次第に減少し、今では果樹若しくはマニラ麻の花蜜に集まるものを長桿に鈎を附けた具で引掛けて捕ふ、主として樹上に生活し、柑橘類以外の果実を嗜食す、殊にバナナは最大好物の一である。父島・母島其の他の諸島では僅かに少数を残すに過ぎないが、婿島列島及北硫黄島からは尚少数づつ捕獲さるるものがあって坊間に出ず。
躯は偉大で牡の大きいのは、躯長八寸に余り両翼を開張する時は、五寸乃至六寸で、開張二尺五寸内外に過ぎない。
右の外に小型な食虫蝙蝠の一種アブラカウモリ Vespertilis abramus (Temminck,1835) の居ることを認めた。
以上、昭和4年10月26日東京府発行 「小笠原島総覧」(沖山昭二氏所蔵)より転載。
資料性が高いことから、原文のまま転載しました。ただし、旧字体の漢字については新字体に置き換え、白く表示してあります。
東京都は十四日、小笠原空港の建設候補地として検討を進める小笠原村の父島・時雨山周辺の環境現況調査結果を公表した。国の天然記念物のオガサワラオオコウモリなど、数多くの貴重な動植物が生息していることが確認された。
調査は、都が九八年五月に時雨山周辺を同空港の建設予定地として決定したことを受けて実施した。その結果、陸上植物では国や都のレッドデータブックに記載されている絶滅危惧(きぐ)種のムニンツツジなど四十四種の希少種が確認された。また、陸上動物ではオガサワラノスリやオガサワラオオコウモリなど国の天然記念物二十二種の生息が確認された。
都は今後、学識経験者らの意見をもとに空港建設による自然環境への影響を予測評価するとともに、保全策についてもまとめる。
同空港をめぐっては、石原知事が昨年十月に父島を訪れた際にも、一千億円を超えると見込まれる建設費用や自然破壊などの問題から、時雨山周辺での建設に否定的な考えを示している。
読売新聞 平成13年5月15日号より
国の天然記念物のオガサワラオオコウモリが、最大の生息地・父島で残り約70匹に急減し、絶滅の危機に立たされている。98〜00年の調査からわずかの間にほぼ半減。ねぐらにしている扇浦地区の森の近くで道路建設も始まり、研究者らは保護の緊急提言を環境省、文化庁などに出した。
オガサワラオオコウモリは体長19〜25センチ、翼を広げると1メートル近くあり、体重400〜500グラム。果実や花粉、花蜜などを食べ、レモンなどの農作物に食害もある。小笠原諸島の固有種だが、すでに母島ではほぼ絶滅し、南・北硫黄島に生息情報があるが個体数は不明。環境省のレッドデータブックで絶滅危惧(きぐ)種に指定されている。
非営利組織「小笠原自然文化研究所」の調査では、父島には98〜00年には130〜150匹が生息していたが、今年は65〜80匹に減った。
人間が島に持ち込んだ後に野生化したネコに襲われたり、農作物用の防鳥ネットに絡まって死んだりしている。エコツーリズムの夜間観察で、懐中電灯やカメラのフラッシュを浴びせたり接近しすぎたりして、コウモリの行動を乱すこともある。日中も人が頻繁に森に立ち入るため、ねぐらを放棄する例もある。
同研究所の稲葉慎・主任研究員は「小笠原には保護管理の窓口がまったくない。農業被害対策もなく、これでは保護は無理」と指摘する。
同研究所の研究者や、東大総合研究博物館・高槻成紀助教授らによる緊急提言は、オオコウモリの農業被害対策と混獲防止、生息地保全、移入種対策などを求めている。
asahi.com 平成14年12月2日(10:58)
