BONIN FLYING FOX 10
剥製前
剥製後
月夜の晩に
剥製前
おそよ20年前、母島で撮られた写真です。
まだ幼獣であるらしく、身体はあまり大きくありません。
首がうな垂れているのは、
犬に襲われた直後で、すでに絶命しているからなのだそうです。
今は閉鎖されていますが、父島の村民会館のフロアに、
色褪せたオオコウモリの剥製が展示されています。
その剥製の元となったのがこのオオコウモリなのだそうです。
・
このポジは父島在住のYOさんからご提供頂きました。
剥製後
これが村民会館のフロアに展示されている剥製です。
私が村民会館によく通っていた時から
この剥製の存在には気が付いており、何度も目にしてきましたが、
当時はこれを‘モノ’としてドライな感覚で見ていたので、
色褪せたあまり状態の良くないこの剥製に興味が湧きませんでした。
しかし、生前の姿を写真で見たことにより、
この剥製に対する見方が一変しました。
こうして、あらためて間近で見ると、
何とも悲しげな表情をしているように見えてきます。
村民会館の建物は閉鎖され、
今この剥製を見ることは出来ませんが、
今回は小笠原社会福祉協議会に特別に許可を得て、撮影をさせて頂きました。
この剥製は何れ、生まれ故郷であると思われる、
母島に戻されることも検討されているそうです。
以下は、展示箱に記されていたものです。
天然記念物オガサワラオオコウモリ
小笠原支庁自然保護プロジェクトチーム蔵
S48年6月26日13時頃
母島蝙蝠谷付近路上にて犬により死すと謂う
恩賜上野動物園剥製
月夜の晩に
MXテレビの父島での資料映像収録に同行した初日、
支庁(都庁の出先機関)の自然公園係へご挨拶と相談に伺ったところ、
「やっぱ、小笠原を代表する動物と言えばオオコウモリでしょ。」というアドバイスを頂き、
オガサワラオオコウモリの撮影をすることになりました。
私も、扇浦再開発計画のことが頭にあったので、
資料映像として、MXさんがオオコウモリの映像を持っていることは望ましいと考え、
わかる範囲で案内する事になりました(勿論、夜間行動中のオオコウモリに限定)。
手持ちの資料を読み返し、父島ペンションさんにも情報の提供を求め、
完璧な体勢で臨んだのですが、完全に空振りでした。
二晩、のべ4時間を費やして、僅かに飛翔中のものが撮れただけでした。
ところが、MXさんを乗せた‘おが丸’が出たその晩、
同じ場所へ行ってみたら居るじゃありませんか。
それも、かなり根性のすわった奴が。
カメラ(銀塩)を持って近づいても、こちらを見はするものの、
まったく逃げようとしません。
暫くして、私の存在を無視するようにバナナの実をムシャムシャ食べ始めました。
また少し近づくと、草を踏む音に反応してこちらを見ますが、
暫くすると、またムシャムシャムシャ。
こんなことを繰り返しながら、何枚かの写真を撮らせてもらいました。
善人ぶるつもりはこれっぽっちも無いのですが、
実は、写真やビデオの被写体になってくれたオオコウモリにはお礼を言うことにしています。
「撮らせてくれてありがとねー。また今度お願いしますねー。」って。
そうすると、また同じ個体に出会える気がするんですね、これが。
さくいん