オオコウモリによる食害

 

オオコウモリによる食害、つまり農作物が食べられてしまう被害の実態は、その全容が掴めている訳ではありません。

実際にはネズミにや鳥による被害も、オオコウモリの仕業と見られていたケースもあるようです。

オオコウモリの食害の対策としてはいろいろと論じられてきましたが、未だ決定打というような策は生まれていません。

小笠原の農業は露地栽培のものが多く、またそれが売りにもなっています。丹精込めて育てられたものなら味も格別です。

野生の動物たちにとってはそんな無防備でおいしい果物や野菜こそ、もっとも標的にし易い格好の獲物であるのです。

 

 この画像はブンタンという柑橘類の花です。このように花や花の蕾を食い荒らされた樹には実がならなくなってしまいます。

この時取材した農園は今年初めて柑橘の花がやられたということでした。

オガサワラオオコウモリは近年増加傾向にあるようなのですが、

それに伴い餌場の数が不足し、今まで足を踏み入れなかった場所にも現れるようになったのかも知れません。

もうひとつ考えられることは、台風の影響(※)により、毎年食料にしていたものが不足し、

今まで口にしなかった物を食べざるを得なくなったということなのかもしれません。

食害対策として、人工の餌場を用意するという提案もあるようですが、

季節によって採餌するものが違うオオコウモリの食性に合わせた人工餌場というのもいろいろと大変かも知れません。

 

※97年に大きな台風が数度小笠原を直撃し、島の自然に大きな被害をもたらした。 

 

 

 バナナの場合、実が食べられることよりも、オオコウモリが実に爪痕を残すことのほうが問題が大きいようです。

この黒い点や傷がついてしまったバナナは商品価値が落ちてしまいます。

多くの場合、爪の痕は実の皮に残るだけなので味に影響は無いと言われていますが、

まれに中にまで達し、実が傷んでしまう事もあるようです。

この他にも、オオコウモリがバナナ葉を食べるために幹の芯を折ってしまうことから、木そのものが枯れてしまうこともあるようです。

これらが原因で、バナナの収穫が70分の1になってしまったという農園もあります。

 


さくいん