●そもそもアトピービジネスとはなんなのか?
日本皮膚科学会の発表では、「アトピー性皮膚炎患者を対象とし、医療保険診療外の行為によってアトピー性皮膚炎の治療に関与し、営利を追求する経済活動」と定義しています。
また、アトピービジネスは、アトピーという病気に悩む心につけ込み、金儲けをしようとする社会的“悪”である。としている。

これを額面どうり受け取るなら、わたしどものような薬局薬店でもアトピーに関する相談が来た時にたとえ本人の希望があろうとも皮膚炎のおくすりを販売すれば、アトピービジネスに仲間入りし、アトピーで金儲けをたくらむ社会的“悪”になってしまうようだ。
以前、日本薬剤師会が金沢大学医学部皮膚科教授であり日本皮膚科学会アトピー性皮膚炎治療問題委員会委員長でもある竹原和彦氏に「アトピー性皮膚炎と不適切治療」というタイトルの原稿を依頼して、その内容が日本薬剤師会雑誌に掲載されていました。上記の記述はその時のメッセージを元に書いていますが、日本薬剤師会が全国の薬局薬店の経営の足を引っ張ってどないするねんと言う感じです。

私や私のやっている薬店が、竹原先生の言う所のアトピービジネスであるのかないのか定かではありませんが、日本皮膚科学会の定義するところでは明らかにアトピービジネスなのであろう、当店ではアトピーの方が少しでも良くなる様にとおくすりやスキンケア用品そしてなんと健康食品まで販売してしまうのだ、薬事法の関係があるのでアトピーに効くなどと言って販売する事はないが、人が本来持つ機能を十分引き出すために必要と思われるものが入っていたりすると、健康食品に治す力がなくとも、当人の自然治癒力が高まる事で治ってしまう事はよくあります。このようにどちらかというとアトピービジネスの実行者という立場から、日本皮膚科学会のアトピービジネスに対する不思議なスタンス、理解不能な点、問題点などと 日本皮膚科学会がアトピービジネスの主にとらえているであろうアトピー改善をテーマにした企業と医療機関の怪しい点や問題点などを非中立を自覚しながら書いてみたいと思います。

●日本皮膚科学会のアトピービジネスに対する不思議なスタンス、理解不能な点、問題点
この点を論じる為に、前述の竹原先生の日本薬剤師会雑誌(1999年10月号)に掲載されたメッセージを引用しながら指摘してゆきたいと思います。

1、竹原先生は、アトピー性皮膚炎の治療にはステロイド外用薬が不可欠である とのお立場をとられていますが、なぜステロイドを必要と感じているのでしょうか?それは多分、私達やアトピー患者のとらえているアトピー治療の最終局面と竹原先生のとらえている最終局面の違いの差ではないかと思われます。

当店を訪れるアトピーでお悩みの多くの方が、最終的にはステロイドの外用薬に頼らなくとも炎症のでないきれいな皮膚になることを望んでみえられます。
つまり、アトピーの根本治癒を促がす特効薬がない現在、最終的に自然寛解(自らの自然治癒力で病気が自然と治ってしまう事)することをめざしてアトピーと対峙し それを自らの判断のもと 乗り越えていこうと努力しているということです。
結果的に当店の実績では、1年以上努力された方の80〜90%が自然寛解しています。
そしてそのプロセスでは、ステロイド外用薬は必要としません。むしろその薬理作用により自然治癒力の低下を招きかねないステロイドの使用は、自然寛解を望む多くの人達にとっては明らかにマイナス!使わないに越した事はないのである。

では、ステロイドの必要性を感じている竹原先生はいったい何を見ているのであろう?
その答えは、以下のメッセージの中にありました。

『(1) ステロイド外用薬についての説明は慎重に
「今時、こんな強い薬を使っているのはあんたぐらいや」この薬剤師さんの一言が、ある30歳代男性の患者さんを100万円以上要する乳酸菌飲料のアトピービジネスに走らせました。仕事の関係で定期的に通院もできず、夜勤が多いこともあり、急に増悪した際に短期間 very strong クラスのステロイド外用薬を使ってその都度コントロールするという方法が、長い間に自然に確立されていたようです。もちろん、きめ細かいスキンケアと炎症が軽いうちから適切にステロイド外用していけば very strong クラスはあまり必要なかったかと思いますが、現実にハードな仕事を持つ社会人では理想的な治療が行なえるとは限りません。
この患者さんは、ステロイド外用薬の副作用を起こすことなく、そこそこのコントロールが得られていたにも関わらず、アトピービジネスによる不適切治療とステロイド外用の中止により、全く仕事ができない状態にまで追い込まれたのです。』
 
と書かれたメッセージ。
これより竹原先生には、例え強いステロイドを使っていたとしても現実社会では、アトピーをそこそこにコントロールしているのであれば、適切な治療と認識していることがうかがえます。さらに言えば、炎症の弱い時からステロイドを積極的にどんどん使っていけ、というようなこともおっしゃています。
またさらに、強いステロイドをできるだけ回避したい意思が感じ取れます、それはとりもなおさず副作用を案じているからではないでしょうか。しかしよく考えてみれば、強いステロイドだけが副作用を持っているわけではありません、弱いステロイドにも副作用は確実に存在します。そのことを念頭に置いた上で以下の仮説をお考え下さい。

そのようなステロイドによるコントロールを、アトピーにとっての適切な治療法と仮定してみましょう。
適切治療に添ってコントロールするためには、アトピーは慢性的に繰り返す皮膚炎ですから、日常的にステロイドを使うことになります。ところが大なり小なりステロイドの副作用が存在するのであるから、コントロールし続けた皮膚は、そのコントロールを始めた頃の皮膚に比べて当然結合組織の生成抑制により皮膚水分含量が減っている事が予想されます。そのような皮膚環境下では、よりアトピーの発生が容易になっています。つまり自然寛解がよりしにくくなっているわけです。それでも適切な治療なのであるから、竹原先生にとっての治療最終局面には、自然寛解以外にも、長く長く続くステロイドによるコントロール状態そのものが入っていると思われるわけです。

一般的にはこの状態は、治癒までの過程では容認されるべき状態と考えますが、その状態そのものがその治療のめざすべきものの1つとなったら如何ですか?あなたはその状況をもってアトピーが治ったと胸を張ることができますか。
この認識の差が、多くの誤解を生む下地になっている様に思います。
竹原先生は、ステロイドによるコントロール群のうち どれぐらいが3年間(ここが大事)の再発のない自然寛解を成し遂げたのかの公表をすべきでしょう。でなければ、自然寛解を望む多くの患者たちに失望と疑念を生じさせる結果となるのではないでしょうか。

確かに 日常の苦痛を和らげるステロイドを使っていても、人によってはそれまでと違う状況になりストレスが軽減されたりして自然寛解する人もいるでしょう、しかしそのような人にとっては、辛い症状は多少あったとしても、ステロイドを使っていなくともきっと自然寛解したでしょう。
しかしこの考え方に最も懸念を感じるのは、いつまでなら副作用がなくコントロールが可能なのか誰も分らないことと、死ぬまで副作用なしでコントロールできると断言できる医者がはたして存在するのかということです。
ほんの少量で絶大な効力を発揮してしまうホルモン剤を、年齢、ストレス状況、季節など多くの状況に敏感に反応を繰り返す人体のホルモンバランスにおいて、その副作用を発現させることなく終生 コントロールしていくことが可能であるとまじめに考えているのであれば、まさに人体、生命に対する傲慢であると考えざる負えません。
使い続ければ、悲しいかないつかは必ず何らかの副作用が出てきてしまうと考えるのが常識ではないでしょうか。
では、竹原先生は副作用が出てきた状況でも適正な治療であったと言えるものなのか?それとも同じ治療をしていながら副作用が出てきた段階で不適切となり、その前の副作用が出る前までは適切とでもおっしゃられるのか?

もうそろそろ皮膚科学会も、ステロイドホルモン剤はアトピー性皮膚炎を治す薬ではなく、QOLを高める(患者の苦痛を取り除き、生活・人生の質を向上させる)薬であると公にするべきである。そして、その代償として自然寛解をより難しくしている事も合わせて。
それによって患者自身が自らステロイド剤の使用を決定することが大切です。
決して医師の決定に委ねられるものではないと考えますが皆様は如何ですか?