●体質改善とは!

薬局・薬店を訪れ、「アトピー性皮膚炎なんですが、どうしたら良いでしょう?」と相談した場合、とても相談ができるような状況にないドラッグストアーを除けば、多くの所で漢方薬の話が出てきて、そこまではいいのだが ときに体質改善と称しながら漢方薬の服用を奨めてくることがあります。
また、街のはずれにテントを設けたかと思いきや、多くの人を二束三文の雑貨でつり、最後には高額の商品を売りつける怪しげな人達の中には、体質改善をうたい、得たいの知れぬ健康食品などを奨めてくるでしょう。

しかし、分子生物学の進歩により、人の体質がDNAの配列により決定されていることが判明した現在となっては、体質とは固定化された 変化の余地の無いものであり、体質改善とは遺伝子組替えを意味しております、だから「漢方薬や健康食品による体質改善」という言葉は、もはやむなしいものになってきているわけです。

唯一可能性があるとすれば、違った体質を示す眠れるDNAの覚醒であろうが、種の存続の危機でもあるまいものを漢方薬ぐらいでそれが起きる訳も無く、ましてや健康食品やビタミン・ミネラルで体質改善を唱える事は言語道断である。
つまり、体質改善などということは ほとんど不可能な事なのです。

ところが一部に、「わたしは、妊娠後体質が変わってアトピーが治った。」とか「僕は、引っ越してから体質が変わってぜんそくにならなくなった。」などという言葉を聞くことがあります、それはどう言う事なのでしょうか!

妊娠すると母体からは平常時より多量の副腎皮質ホルモンが分泌されます、これは妊娠によるストレスと母体や胎児を守る為 からだの各種機能(副腎もふくめて)が亢進しているからではないかと思いますが、この影響によりアトピーがずいぶん改善される事があります。それで体質が変わりアトピーが治ったと思ってしまうわけです。ところが
出産後3ヶ月を過ぎる頃から、それまで種の保存を背景としたからだの機能の活性状態から大きくレベルダウンしてきます、そして免疫システムもそのひとつです、本来持ち合わせていないような高いレベルの免疫力を1年以上に渡って維持してきた反動として免疫力の後退が起こるようです、そのときにはまた再発してくることが容易に予想されます。
また、引っ越してからのぜんそくの改善は、環境の好転とストレスの減少が要因です。だから、ひとによっては、引っ越しが基点となってぜんそくが始まるということも起きてきます。

つまりアトピーが良くなろうと ぜんそくが良くなろうと 私達のからだの中で体質改善が行われているわけでは無いと言う事なのである。
このことは、さらに掘り下げて言えば、弱いステロイド剤による維持療法なる治療が存在するとすれば、その治療の予想する最終局面とは、偶発的な体質変化による治癒です。(必然的な生体能力の強化による正常状態のコントロールは、ステロイドの継続使用時には起こりうらない。また一昔前によく見られたような、5才10才での免疫システムの確立に伴う自然治癒は、食生活・生活様式の欧米化と環境の悪化に伴いほとんど期待する事が出来なくなってきました。)
しかし、体質変化などということは起きない事がわかっている現在、ステロイドの免疫弱体化を上回るような偶発的な強い免疫力のレベルアップは もはや奇跡としか言いようがありません。
そのような奇跡を期待して、副作用のないステロイド療法と信じて維持療法を続けている人達には大変不幸ではあるが、はっきり分かっている事は、その維持療法はいつまでも続くと言う事と そのステロイドのつけは いつかは払わなくてはいけないだろう ということである。

体質改善が不可能である事が分かった今、我々が行うべきは、生体能力の強化によるアトピーのコントロールである。
体質改善と生体能力の強化の違いは、鍛錬する訓練するという自発的な行動が必要か必要でないかということで、生体の各機能が持っている能力の強化にはトレーニングがともないます、そしてその強化の大きさの程度は、トレーニングの量と質の高さに比例して大きくもなれば小さくもなるということです。

ここでひとつ ある疑問がでてきます。 それは、一部の漢方薬やアガリクス茸・霊芝・タヒボなどの健康食品の中には、明らかに免疫細胞を増加させたり、働きを高めたりするデータをだしているものがあります、つまり免疫力を高めているわけですが、それらは決して体質を改善しているわけではないが、免疫力を引き上げる事でアトピー性皮膚炎を改善して行く事はないのか?ということである

答えは、改善される人もいるだろうし、改善されない人もいるだろう。
それらの薬や健康食品がどれくらい免疫力を引き上げるものなのか、個人差も大きいだろうし、もともとの免疫力の強さも問題になるであろうし、年齢による免疫以外のストレスなどの要因の大きさなどなど、あまりにも不確定要素が多すぎるのである。わたしどものようにアトピー性皮膚炎の改善のための相談を行っているものにとっては、そのような不確実性の高いものに対して、あてにして指導する事はなかなか出来ません、ある程度の確実性を持って改善が期待できる方法をいっしょになっておこなって行かない限りついてきてはくれないでしょう。

さらに言えば、それらのもので良くなる頻度はどれくらいのものなのでしょう、10人中2人?3人???少なくとも8人9人が良くならなければ私はこのような相談をしてはいないだろうし してはいけないでしょう、そしてそのための免疫力の強化はあくまでトレーニングなのです、このような例えでいいかどうかはわからなないが、速く走るようになる為にトレーニングして筋肉を強化したりフォームを改善したりして速く走ろうとするか、神経伝達を良くする薬やからだを興奮状態にする薬などで速く走ろうとするかの違いですね、前者はだれもが確実に1歩1歩改善されますが、後者はまったく効果が予想できないし薬の効き目が無くなればまた元に戻ってしまうのである。

つまり漢方薬やそれらの健康食品でも同じで、服用している間は高い免疫レベルをある程度維持できたとしても その服用を中止すればもとの免疫レベルに落ちいてしまう可能性が高いわけです。だからたとえ運良くアトピーが改善されたとしても 飲み続けなければいけません、そしてその飲み続けている状態がはたして治ったことになるのかよくよく考えなければいけないでしょう。
(この状態は、自分でコントロールしているのではなく、薬などでコントロールしてもらっているのである。)
この状態では、この先さらに環境の悪化、ストレスの増大が続けば いとも簡単に再発してくると思いますよ!

結局、努力してがんばった分だけ良くなっていくだけのことで、人まかせ物まかせでは決して良くなってはいかないという事ですね!