1999年11月、世界に先駆けて日本において免疫抑制剤「プロトピック軟膏」が成人のアトピー性皮膚炎の治療薬として認可されました。
この軟膏は、日本の藤沢薬品が開発した薬で、主成分 タクロリムスを含んだ内服薬「プログラフ」を軟膏にしたものです。
主に移植手術後の拒絶反応(アレルギー反応)を抑えるためのお薬です

本来は、カプセル剤の内服薬であったり注射薬であったりするものですが、軟膏にして皮膚から塗って吸収させるようにしたお薬です。同じような働きを持つ免疫抑制剤のシクロスポリンに比べ経皮吸収率が高いので軟膏としても効き目が期待されているようです。

特徴としては、副腎皮質ホルモン剤と異なり免疫系のTリンパ細胞にのみ選択的に働きを抑制して効果を現わします、そのために、副腎皮質ホルモン剤が持っているような血管を収縮させたり、皮膚の新陳代謝を抑えたり、皮膚の保水性を落としたりする副作用が比較的少ないと言われています。
そのことにより、今までの副腎皮質ホルモン剤に見られるようなリバウンド現象があまり起らないと考えられています。


良い事ずくめの様に聞こえますが、個人的には以下のような理由により、副腎皮質ホルモン剤以上に警戒が必要なお薬であると考えています。

1.塗っている所では、ほとんど免疫システムが働かなくなる恐れがあるため、化膿したり、カンジダ症になったりと感染症にすぐ罹ってしまう事が容易に想像できます。
特に黄色ブドウ球菌の増殖はアトピー性皮膚炎の大きな悪化要因となりうるため、長期の使用は、むしろデメリットの方が強くなる可能性が高い。


2.顔面への紅斑に対する使用がメインになるとのことで、顔面への連続使用により、その影響から首より上で起きている免疫システムを崩してしまう危険性が極めて大きい。これは非常に重大な事で、首から上では、のどの扁桃腺、首のリンパ腺など外からのウイルスや細菌などの異物から体を守るための最も重要な器官が集まっています。これらの働きが悪くなる事で、外敵がすんなり体の中に潜入してきてしまうリスクは、アトピーの症状を多少良くすることと引き換えにするにはあまりにも無謀と言わざる負えません。
更に言えば、基本的にプロトピック軟膏が免疫システムを起さなくする事でアトピーの症状を改善する為に、塗るのを止めてしまえば当然また出てきます。では、ず〜と塗りつづけることができるのかというと、どうでしょう、10年、15年、20年と塗り続けた場合を考えてみて下さい。必ず全身的な免疫システムへの重大な影響が出てくると考えても間違いはないでしょう、その時には、生命に対するリスクが存在すると考えていいでしょう。


3.プロトピック軟膏は、異常に興奮した免疫システムを抑える薬である、つまり異常に高まった免疫を抑えることはできるが、免疫が異常に高まってしまう事自体を正して行くものではない、そのため全くアトピー性皮膚炎の改善にはつながっていないのではないでしょうか、
そもそも、アトピー性皮膚炎でおきる炎症自体本当に抑えなくてはいけないものなのかどうか疑ってみる必要があるでしょう。
私は、アトピー性皮膚炎の本質は過剰にたまった体内エネルギーが免疫システムを介してエネルギーの放散が行われている状態と考えていますので基本的には炎症は止めるべきではないと思っています、むしろ体にとって必要であるから炎症が出ているのであろうし、皮膚の抵抗力も炎症が出ることによって初めて炎症が起きない様にするシステムが構築されていくのである。

4.そしてこれが最も憂慮することではあるが、塗っているところ(特に顔面)で免疫が働かないと免疫の最大の仕事、癌細胞をやっつけるという仕事がうまく行われない可能性がでてきます。特に顔面は日常的に癌発症の危険因子である紫外線が強くあたる所でもあリ、皮膚癌(近年急速に増加している)のリスクを背負いながら何とかしていかなくてはならないほどの病気なのかどうかもう一度よく考えてみる必要があるだろう。なぜなら、そのようなリスクを背負わなくても自分で治すんだという強い信念と継続する根気があればきっと良くなるはずであるから。


アトピー性皮膚炎克服の大事な点は、一つ一つの症状にあまり心を奪われない事です、もっと大局的にとらえて治療方針をたてていかなければいけません。

※はてさて、私のこの私見は正しいのかどうなのか、その答えは10年後に出てくるでしょう。