古都奈良路後編(飛鳥路)

飛鳥時代というのを学生のころ習った覚えがある。しかし覚えていることといえば・・・・・何だっけ ???
たしか古墳がたくさん造られて、男の人もおさげ髪のようなヘアスタイルをしてて、大仏はまだ造られていなくて・・・・
情けない限りだが、この程度のことしか覚えていない。
ところで、何故飛鳥時代という名前がついているのか皆さんはご存知か。何とあすかという地名が実際にあったのだ。( 明日香村 )
あすかなんていうカッコイイ名前の土地が、今もまだ実際にあったなんて。( 知らんのは俺だけか。)
奈良市内から車で一時間もかからない所だと言う事で、行かない手はない。

昨日の山辺の道がかなりしんどかったので、朝起きるのがつらいだろうと思っていたが、実際に起きてみるとそうでもない。
時計を見ると、何とまだ午前六時。「夜は眠りたくなーい。朝は起きたくなーい。」が口癖の俺にしてみると、一年に一回どころか、十年に一回もない快挙である。 えらいぞ八幡太郎!!!

さっそく二日間お世話になったビジネスホテルをチェックアウトして自転車置き場に向かう。
愛車ランドマスターをキャリアに積み込む段になって、問題が発生した。自転車のフレームを挟み込んで固定する部分のロックが効かない。
このキャリアは今回の旅行の為に購入した新品なのに、もうこんなところでぶっ壊れてしまった。
今度またこのホームページで詳しく載せようと思っているのだが、このキャリアは信用できない。皆さんも購入の際は、じっくり検討してから購入した方が良い。ちなみにこのキャリアは自転車をばらさずに、そのままルーフに載せるタイプのもので、金額的にはばらして載せるタイプよりもかなり高額になる。旅行を終えて鳥取までの高速道路、心臓に悪い思いをしながら車を走らせる羽目になった。現在は自転車の前輪を取り外して載せるタイプのキャリアに買い換えた。痛い出費である。

さて、都会の奈良市内から静かな明日香村に着いたのは八時過ぎだった。まず最初に石舞台古墳という大岩を組み合わせた古墳に向かう。
この古墳は歴史の教科書に載っていた為か、俺のようなおばかさんも知っている超有名な古墳で、一度見てみたいと思っていたが、まさか明日香村にあるなんて思っても見なかった。すごく得した気分だ。
石舞台古墳の脇には無料の駐車場が作ってある。ここを起点にして後は自転車で周れば良いわけで、こういう施設があるとほんっとに助かるんだよね。イイゾー明日香村!!!
月曜日の早朝なので、人がぜんぜんいない。入り口でおばさんに拝観料(安かったと思う。)を払い、今日の一番乗りで古墳の中へ入ってみた。ガラーンとして何にもない。上を見ると、大岩に押しつぶされそうな感じがして息苦しくなったので、外に出ることにした。まるでうる星やつらの面堂終太郎である。
外にはいつの間にか一組のカップルがいて、かっこつけた男がえばって歩いていたのだが、いきなりステンッと転んでしまい、彼女の前で大恥をかいていた。あほや。

石舞台古墳から岡寺方面に向かう。途中笹薮の中に入る小道があり、酒船石という謎の遺物があった。5メートルほどの平べったい岩に、幾何学模様の溝が彫ってある。 じっくりと見て居たかったが、やぶ蚊の大群に襲撃されて慌てて山を下った。半ズボンをはいていたせいで、やぶ蚊のご馳走になり痒いったらあったもんじゃない。夏は好きな季節だが、蚊のせいで少し嫌いになってしまいそう。
明日香村には酒船石の他にも、弥勒石、亀石、鬼のまな板など、石で作られた遺物が数多くある。俺はこんな不思議な遺物は大好きなので、ちょっと予備知識を仕込んでおこうと考え、国立飛鳥資料館へ行くことにした。
途中同じようにMTBに乗った女の子に出会ったが何だかつまらなそうな顔をしていた。この時は何故なのか分からなかったが、後になっていやというほど分かることになる。

資料館に着くと、早速中に入ろうと思ったが、窓口に係員がいない。もしかして、と思って窓口に書いてある営業時間表を見ると、何と月曜日は休館日になっているではないか、ガッカリである。さっきの女の子もそうとは知らずにやって来て、休館日だと知ってガッカリしたに違いない。
ここが休館日だということは、他の施設もその可能性が高い。せっかく来たのに、ちぇーっ。

この後飛鳥寺に行き飛鳥大仏を見学したが、中々雰囲気のいいお寺で、田んぼの中にぽつんと建っている静かなたたずまいだ。
飛鳥大仏は、大仏というほどでかくないけども、独特の顔をした個性的な仏様だった。
この寺にはこの他に入鹿の首塚と呼ばれる石碑が建っている。あの、俺でも知っている大化の改新で、首をはねられた蘇我入鹿の首塚だというのだ。昼間だからいいようなものの、夜なら恐ろしくて近寄れないに違いない。
奈良に来て感じるのだが、寺に行ってもお坊さんを見たためしがない。唯一、新薬師寺で一人見かけただけなのだ。一体どこに居るのだろう。

ここで急激に腹が減ってきた。何か腹に収めないことには動けない。ここらあたりは国道沿いにもコンビニがなく、レストランも資料館にあわせて休んで居やがる。散々探し回った挙句に、古い雑貨屋を一軒見つけることが出来た。さっそく食べ物を探したが、はるさめや洗濯バサミ、メリケン粉なんていう類しか置いてない様子だ。しかもほこりをかぶっている。
「おじさん、何か食いもんはないの ?」と訊くと、店番のおじさんは、店の奥の方を指差した。そこにはビスケットがおいてある。とりあえず、これを買うことにしたが、このおじさん、「値段が分からん。」と言い出した。ようやく薄くなった印刷の値段表を見つけ出して金を払ったが、えらく安い、かなり昔の値段じゃなかろうか。
安いからといって喜んではいられない。昔の値段だということは、昔の製品だということだ。賞味期限をとうに過ぎている可能性が高い。並みの人間なら決して買わないだろうが、この八幡太郎をなめてはいけない。なんせ、周りの人間が集団食中毒になったときも、俺一人ピンピンしていた。それも一度や二度ではない。八幡太郎の胃袋は、世界最強の強さだというもっぱらの評判である。
このビスケットを弥勒石という遺物の近くでがつがつ食ったが、味も香りも何ともなかった。

腹も落ち着き、自転車を走らせ橘寺の二面石や道端の亀石などを見学した後、かの有名な高松塚古墳へ行くことにした。
この途中、五十歳前後の夫婦に道を尋ねられたのだが、話しかけてくるのはおばさんばかりで、おじさんのほうは後ろでもじもじしているだけ。
このパターンが最近多いんだよなー。なにを隠そううちの両親もこのとうりなのである。全く持って最近の親父はふがいない。ガンバレ日本の親父 !!

高松塚古墳が飛鳥にあることを知っている人が何人いるだろうか ? 俺は四国の高松市にあるものとばかり思っていた。
世の中には俺の知らないことがたくさんある。良い勉強になった。
高松塚古墳はきれいな公園の中にある。この古墳の中に入ることは許されていないが、内部から発見されたカラフルな壁画のレプリカなら見ることができる。隣接する高松塚壁画館に展示してあるのだ。しかしここも、月曜日は休館日。いいかげん腹立つよなっ !

仕方がないので、飛鳥歴史公園館という所へ行ってみた。どうせ今日は休館日だろうと勝手に決め付け、あきらめ半分でドアの前に立つと自動ドアが開くではないか。なんとここは年中無休だとのこと、ことごとく休みの中( なんと食堂まで! ) ここだけはやっている。感激しました公園館ちゃん。
色々な展示物がありおもしろかったが、明日香村を題材にした写真展が開かれ、その中に地元の女の子をモデルにした天女様の写真があった。でもこの天女様、髪の毛がなんで茶色なんだ、ええおい。

この後鬼のまな板、鬼のせっちんなどを見学し、最後に吉備姫の古墳にある猿石を見に行った。この猿石、かなり面白い格好をしている。
猿には間違いないが、笑った顔、すました顔、しゃべっている顔、色々な顔の表情が生き生きと彫りこまれている。飛鳥の遺物の中で、俺はこの猿石が一番好きになってしまった。
鉄柵の横の看板に、「猿石の傷みがひどいので、九月一日より修繕の為見ることは出来ません。」と書いてあるではないか。今日は八月三十一日、明日になれば見ることができなかったということだ。なんという幸運、こんな面白いものを見ずして帰ることなど出来ようか。博物館は休館だったけど、この猿石を見ることが出来て幸運だった。
また暇をつくって明日香には来ようと思う。そのときは、博物館も見てみたい。飛鳥の散歩も終わったが、大好きな土地の一つとして忘れることはあるまい。

明日香村は良いところです。自転車で一日あれば楽に見て周れます。皆さんもぜひ行ってみてください。きっと大好きになると思います。

 

 

 

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