高麗手指鍼の沿革
1999年11月3日東京高麗手指鍼研究会の仲間三人で、柳会長と学会訪問をしました。この時の写真です。会長はこの後アメリカへ講演に向かうと言うお忙しい中、長時間に渡り会談していただきました。
コウライシュシシンと読みます。高麗とは韓国のことをあらわします。1971年韓国人鍼灸師柳泰佑(ユ・テウ)
によって、手の穴(つぼ)の発見と手指鍼の発明がされました。後頭部の痛みが手の中指にも現れていることを、偶然にも気がついたそうです。
故間中善雄博士の「全体が部分の中にある」の言のとおり、手指・手のひらが身体と対応しており、気が流れツボがある。刺鍼することで気を調え
病気を治せる。中国ニ千年の鍼灸の歴史にも見当たらない、発見であり発明でありました。
胃が悪い時お腹や背中を押すと、痛みが和らいだり気持ちが良くなることがあります。このようにして身体の表面に反応点が出ることを
、内臓体壁反射といいます。穴(つぼ)もこのようにして発見されたと考えられています。手にこのような穴があるというのは、
中国の古典にもない発見でした。この研究が進められ、韓国で発表されたのは1975年でした。1977年、論文が日本語に翻訳されて初めて
紹介されました。1978年には柳泰佑博士が来日し、講演を行っています。それ以来博士は毎年のように来日され、名古屋を中心に講演活動を
されています。当初はマスコミにも取り上げられていましたが、現在は手のひらが何か治療効果があると言う事のみ、一人歩きしているように思われます。
私はその原因をこう考えています。①日本への紹介者が医者であった。(鍼灸師が積極的に紹介者であるべきであった。治療実績が即手指鍼の評価
に繋がった筈である。)②日本と韓国との歴史および韓国語の特殊性(ハングルに馴染みがうすい)③精緻な理論が大変難しい(中国日本の鍼灸理論
を勉強していても、手指鍼を学び始めると相当の混乱があります。大げさでなくコペルニクス的思考の転換を必要とします。)④理論を治療に結びつ
ける、簡単な診断技術・方法が少なかった。(今では
筋力テストや入江式フィンガーテストがあります。私はそれをさらに発展させて使っています。)。
まとめると、高麗手指鍼は基本図書が韓国語で書かれており独学が難しい。その理論が精緻で東洋医学を改めて勉強しなおす努力を必要とする
。適当な講師もいなかったため、専門とする鍼灸院も増えず評判評価
も無い。
これが現在までの状況でした。何はともあれ、まだまだ発展途上の高麗手指鍼です。現代医学の最先端、分子医学や免疫学の成果を取り入れることで、
更なる発展を図れると研究をしているところです。
右の写真は第19回韓日学術大会「瑞金療法」にご招待された時の、会長との写真です。10年前と会長はほとんど容姿の変化がありません。高麗手指鍼の効果と、手指療法学会のサプリメントなどで、節制された賜物と思います。
「高麗手指鍼療法学会の沿革」
1971年 柳泰佑会長、独自に手指鍼の開発に着手。
1975年 開発に成功。高麗手指鍼と名付け「大韓鍼灸士協会報」に発表
1976年 「高麗手指鍼と14気脈論」を発表。
1977年 宋台錫博士「医道の日本」誌に高麗手指鍼術の連載を始める。
1978年 故間中喜雄博士の招きで来日。日本鍼灸学武会、関西鍼灸専門学校で講演。第1回韓日学術大会開催、韓国側350名 日本側13名参加。
1979年 日本大学歯学部で講義。第2回韓日大会開催、韓国側400名、日本側20名の参加
1980年 第3回韓日学術大会開催 韓国側500名、日本側10名参加。
1982年 第4回韓日学術大会開催 韓国側1800名、日本側10名参加。
1983年 第5回韓日学術大会開催 韓国、日本、ギリシャ、オーストリア、ガボンけい1800名の参加。
1984年 第6回韓日学術大会開催 会長2回に渡り来日し東京京都大阪の鍼灸学校および日本東方医療振興財団で講演。
1985年 第7回韓日学術大会開催 1800の参加者のうち日本側50名、アメリカ側13名含まれる
1986年 第8回韓日学術大会開催 日本で「てのひらツボ療法」を出版。
1987年 第9回韓日学術大会開催 来日講演のほかアメリカボストン、サンフランシスコ鍼灸大学で講演。
1988年 第10回韓日学術大会開催 アメリカを中心に講演を行う。
1990年 第11回韓日学術大会開催
1992年 第12回韓日学術大会開催
1994年 第13回韓日学術大会開催
1995年 第14回韓日学術大会開催
2001年 第15回韓日学術大会開催
2003年 第16回韓日学術大会開催
2008年 第19回学術大会学術大会開催
現在高麗手指鍼は確実に世界へと広がりを見せています。すでにアメリカではAuricular Medicine なること言葉の中に含まれて認知されています。やがてはKoryo Hand Therapy または Soojichim の言葉が独立して認知されるよう、微力ながら私もお力添えしたいと思っています。
(参考文献)
(日本語で読めて手に入る書籍は、柳泰佑著「手のひらツボ療法」 地湧社刊 だけでしたが、このたび谷口書店より日本語訳の「高麗手指講座」が出ました。価格は税抜き本体価格9800円です。
