冷えまたはひえ性症について

「冷えまたはひえ性症について」の原因・病状・説明

冷えて困る人は多い。低体温とでも判定されなければ、西洋医学に冷え性という症状、病名は寡聞にして聞いたことがない。  最近は冷房による冷えから、男女を問わず1年中冷えを感ずるようになってきている。冷えの観点から治療の効果を上げ ている漢方医も、多々マスコミで取り上げられる昨今である。

 

さて冷えと言うと血液循環と言うことになる。

この血とは東洋医学ではどう説明されているか。「漢方用語大辞典」 (創医会学術部主編、燎原書店刊)から引用する。

「血は人体内を流れる一種の物質である。その生化の源は中焦の脾胃 にある。脾胃で食物を消化し、その精微と津液が結合吸収され心肺に運ばれ、再び肺の気化作用を経て形成される。経脈 中を流れ身体各部を栄養し、老廃物を排泄する。

血の機能は全身を栄養するばかりでなく、視力・歩行・握力・皮膚感覚 などにも関係する。また血の機能が正常に働くには、気の働きや気血が心血管内を正常に運行していることが必要である。 その色は鮮紅あるいは暗褐色、比重は重く臭気があり、味は鹹で性はよく凝結する。」

 東洋医学では、心臓は火の性質を備えていると考えられています。この熱を受けて血液は体を流れて行くわけですから、 さめないように体の隅々へと障害無く、流れをせき止めることの無いようにしなくてはなりません。

鍼灸医学では陰陽五行説 を用います。(高島易断の暦をひも解くと五角形をした形で表されます。)心臓は火の性質。それを助けるのが木の性質を備 えた肝臓です。木は火にくべれば火は盛んに燃え盛ると言うわけです。西洋医学的、解剖学的にいえば人体で最大の発熱臓器 が肝臓と言うわけです。

それともう1点、血は気と一対で流れているとみなします。血は血管内を、気は血管外を流れている と考えられたのです。

東洋医学は「気の医学」と言われています。気を調整することが、すなわち血の流れを調整することに も通ずることなのです。

 女性は生理と言う月に1度の大きな血の流れの変化があります。この流れに障害が起きると、お血(おけつ)という 血の滞り現象が腹部におきる。これがさまざまな障害を起こすことは、すでに子宮筋腫のところで説明しました。さまざま な原因でこれは起きるが、その原因の一つに、症例で見られるような手術があげられる。

手のひら先生の高麗手指鍼治療費

  • 「初診料」 2000円
  • 「個人専用鍼代」 2100円 (治療10回毎にお支払いただきます)
  • 「治療費」 6000円

冷えまたはひえ性症について /手のひら先生の高麗手指鍼治療

症例1 女性 (既往症)子宮筋腫を30年前に手術、6年前に胆石の手術を行っている。 (主訴)冷えである。30年前の手術の後、ひどい冷えが始まった。病院から鍼あんまマッサージ、果ては山伏の祈祷まで行った。一時は子供と一緒に死のうかと思ったほど冷えたそうである。  

鍼は金属で出来ているから体を冷やす。熱を補うのなら、お灸が最適であると習ってきました。しかし高麗手指鍼は理論がしっかりしているので、冷えにも熱にもその他すべての症状に対応可能である。そういう優れた特質があります。

 1997年5月16日初診 

第1回目は肝臓の経絡に冷えが入っておりこれを取るために、肝の寒方という処方をした。冷えを取るのです。最初から血に関連する肝経に反応が出てい ました。処方の効果は治療中にすぐ出ました。体があたたまったと、患者自身が感じられたのです。暖かくなる季節になると上記のように、湿気が部屋に入ったせいか湿気を取る処方も加え ましが、計22回で一応の治療は終了いたしました。

その後ひどく苦しむようなな症状は出ていません。友人を介してその後を聞くところでは、元気に過ごしているとのことです。

冷えに対しては、一般的なアドバイスとして軽い運動を勧めています。散歩が良いのではないでしょうか。血は送り出すのは心臓の力だが、戻るのは体全体の筋肉の動きが大きな役目をしています。

あとは食事です。これは中国薬膳の考え方を紹介しています。すなわち、温める働気があると考えられている、たとえば肉なら豚肉、野菜なら生姜と言うようにです。

今年の初めにメラノーマと言う、「ほくろ」が癌化した患者を診たことがありました。途中で癌に効くとか言う玉川温泉に行き、そこで紹介されたいわゆる「ふんずけ屋」で治療をうけました。この時「体が冷えている」と言われ、携帯用カイロを全身に貼りつけていたことが有ります。真冬なのに全身に汗が噴出していました。温めると言うことは、すなわち冷えを取ると言うことは、こう言うことを意味するものではありません。あくまでも身体自身のもつ熱であたたまらなければ、意味をなさないのです。

 病は「気」からと言うように、気の流れの乱れからおきます。漢方薬、鍼等でこれを治し修正し、運動療法・食事の見なおしを加えることで冷えを取って行く。これが最良の方法と考えますが、さていかがでしょうか。