お名前 : 石井




■2004年にリリースされた音楽で良かったものベスト10を挙げてください。
ほとんどリピート回数順。


    
    
(1) Miceteeth /Baby
今年はマイスティースばっかり聴いていた。この「Baby」を聴いていると、小沢健二の「Life」を聴いているときとほとんど同じような感覚を覚える。曲と演奏の良さ、声の説得力(巧さとは全く関係がないっすよ)もさることながら、作品のありようまですごく似ている。 そのありようというのは、よくできたポップソングばかりで、どちらもどこかかわいらしく、なんともいえずオシャレで、なのに実は男くさいソウルアルバムだというところ。「Life」というアルバムは、ちんこに毛が生え始めた青年期からもう自分の寿命もそれ程長くないんだなと思ってしまう位の時期までの人生をざっくりと切り取ったコンセプト・アルバムであり、誤解を恐れずに言うと渾身の「男のソウルアルバム」なのだと勝手に思っている。 「Baby」もまた、はじめてのセックスからちょっと歳取ったおっさん位までの時期(「Life」よりは短い)を切り取っているコンセプトアルバムで、同じく渾身の男のソウルアルバムだ。本人たちが自覚的であろうとなかろうと、そうなっている。なっているんだってば。 なっていると思うんだけど、俺は... で、そんなアルバムを俺が嫌いなわけがない。嫌いどころか滅茶苦茶愛しい。 「10年前の僕らは胸を痛めてLifeなんて聴いてた」なんて人達に、「Baby」を聴いて欲しいなと本気で思っている。

(2) Muffs /Really Really Happy
本当に待望の新作。期待に違わぬウェルメイドな「ポップス」。女性らしい色気のあんまり無いキムの声が俺は大好きだ。来日ライブに仕事でどうしても行けなかったのは今年一番の痛恨事。

(3) Original Love /街男 街女
ド傑作である前作の勢いそのままのラケンロー集。何の文句もない傑作。田島は今までのキャリアの中で今が一番脂が乗っている。同時代に生きられて本当に良かった。

(4) Ronan o Snodaigh /Tonnta Ro
キーラの太鼓叩きのソロアルバム。 声とメロディから滲み出る切なさと、リズムの腰の強さのコンビネーション。日本盤のオビでは「人力テクノ」なんて書かれているけれど、それよりもシンガーソングライター的な叙情に惹かれた。 ギル・スコット・ヘロンが好きなら聴くべき。

(5) Arthur Russell /Calling Out Of Context
未発表曲集。これも一種のダブだけど、上のローナン同様、シンガーソングライター的な叙情がなにより胸に沁みる。ニック・ドレイクがハウスやったようなとか。フィッシュマンズがまだ継続していたとして、くるりみたいにハウス取り入れたらこんなだったろうなとか。そんな感じ。

(6) Heatwave /Long Way For Nothing
これが最高傑作だ。力作ってのはこういうアルバムのためにある言葉だ。 巻き舌で歌うシンガーでギミックなしに格好えぇぇぇ!と思えるのは山口だけ。

(7) マーガレットズロース /ネオンホール
ライブが最高に良かった。碌にメディアにのらなくても、ネットや友人から評判を聞かなくても、CD屋で推されていなくても、すばらしいバンドはいくらだってあるなと反省。正直、このライブ盤を越す良いスタジオ盤を出せるとは現時点では思えないが、ずっとついていきたいバンド。

(8) 54-71 /All Songs Composed & Perfomed By54-71
ミーターズをフリーズドライしたようなスカスカした音で男気と色気を包んだ、全曲録り直しのベスト盤。併せてライブもぜひ観て。

(9) 佐野元春 /The Sun
佐野元春もこれが最高傑作と思う。新人のファーストアルバムのような瑞々しさと、熟練の職人のような芳醇さ。全盛期からおっかけているコアファンだけにしか聴かれないのは勿体無さすぎる。

(10) DJ Rels /Theme For A Broken Soul
最初は「なんだこりゃ、お遊びでブロークンビーツやってみましたって感じだな、すぐ飽きて中古屋行きだな」 なんて思っていたけれど、聴き込んでみたら今年の打ち込み系では一番耳に馴染んだ。黒光りしてそそり立つソウル・ミュージック。moodymann達よりもこっちの方がおもろかった。 会社のオサレ女子が会社で聴いていて驚いた。タワレコで試聴して気に入ったらしい...


次点

Million Bamboo /竹の子
Andy Hamill /Bee For Bass
ECD /ECDVD
Ben Harper & the Blind Boys of Alabama /There Will Be a Light
Dubsensemania /appearance
二階堂和美 /ニカセトラ2 〜夏模様編〜
曽我部恵一 /shimokitazawa concert
Jonathan Richman /Not So Much To Be Loved As To Love
Red Hot Chili Peppers /Live in Hyde Park
友部正人 /何かを思いつくのを待っている
Kim Hirothoy /Live Shet
Joanna Newsom /Milk Eyed Mender
Prince /Musicology
有山じゅんじ /Thinkin' Of You


今年もいろいろ楽しかったね、と。







■2004年にリリースされた作品以外で、よく聴いた音楽があれば挙げてください。

Ry Cooder /Boomer's Story
Blind Willie Johnson /The Complete
Takeshi, Kubota /Neo Classics
Andre Toussaint /Bahamian Ballads
小島真由美 /面影
Sakerock /Yuta
Cut Chemist /The Litmus Test
DJ Shadou /Live At I.C.A.
Trojans /Ala-Ska
Prince Buster いろいろ
Lighitning Bolt /Ride The Skies
Detroit Experiment /S.T.
Curtis Mayfield /Live!
Irresistible Force /It's Tomorrow Already
Robert Wyatt /1982-1984 (Rough Trade Singles)

ずっと毎年聴いているもの
RCサクセション /OK
Jonathan Richman /I, Jonathan
Alex Chilton /High Priest  
(※写真)
Ian Dury /Do It yourself
友部正人 /休みの日
Caetano Veloso /Prenda Minha







■あなたの「今年のこの1曲」は?


マーガレット・ズロース 「べいびー」

と、
Andy Hamill /This Was Your Life
と、
Adriana Partimpim(Calcanhoto) /Lic de Bai

Arthur Russell /That's All - Wild Combination
など






■ライブ、DJイベント等々のベスト10を挙げてください。
1. マーガレットズロース&友部正人 at 京都拾得
はじめて行った拾得の雰囲気も最高だったけど、マーガレット・ズロースのへったくそなザ・バンドみたいな音をバックに歌い、シャウトする(!)友部さんが素晴らしかった!あの友部さんがぴょんぴょん跳び跳ねたりもしていたよ! 「中央線」をレゲエ・バージョンで聴けるなんて想像もしたことがなかった!で、その後にやったマーガレット・ズロースも、思う存分シャウトして、思う存分弾きまくり叩きまくって、思う存分演奏間違えまくって演奏してくれたので俺も思う存分座敷の上で打ち震えた。最高の夜だった。

2. フジロック at 苗場
いつも通り楽しかったっすよ。フジの「いつも通り」は超破格なんだけど。

3. ソウルフラワーユニオン at いろいろな場所で何回か
正直、このバンドの最盛期は、3年前に「スクリューボール・コメディ」を出した頃だと思う。伊丹英子というバンドの精神的中心人物が(ほぼ)抜けたこともあり、あの頃の神がかった凄さは消えてしまった。でも俺は今のソウルフラワーの方がずっとずっと好きだ。あの頃の歌を歌っても、いまの演奏のほうがもっと深く胸に刺さってくる。
ライブでは既におなじみの、まだ音源にはなっていない新曲たちは、場末の飲み屋で食える極上のモツ煮込みみたいな地味だけど最高のものばかりなので期待して待っていて良いよ。
というかライブ行こうよ皆、楽しいよ。

4. battles at梅田noon
ちゃんと音源を聴いてもいないのに、webで評判をみてちょこっと試聴だけしてその日のうちに駆けつけたライブ。久々にオルタナティヴ・ロックの凄さにアテられた。滅茶苦茶気持ちよかった。前座で出た54-71も良かった。しかしバトルスは音源はそれほど良くない。残念だね。








■音楽以外でのベスト10があれば

【マンガ】


1. 花輪和一 / 不成仏霊童女
2. 小田扉 / 団地ともお、 男ロワイヤル、江豆町
3. 杉作J太郎 / 帰ってきたワイルドターキーメン
4. 五十嵐大介 / 魔女
5. 安達哲 /バカ姉弟
6. こうの史代 /夕凪の街 桜の国

7. うすバカ二輪伝 /東陽片岡
8. 上京ものがたり /西原理恵子
9. あすなひろし / いつも春のよう
10. 三本義春 /テロル・ナイトメア

次点
井上雄彦 /リアル
大場つぐみ(著)・小畑健(イラスト) /デス・ノート 
山口貴由 /シグルイ
ひぐちアサ /おおきく振りかぶって
アーチャー・プレウィット /ソフボーイ
根本敬 /学ぶ
石原まこちん /ザ・3名様
アーロン・マッグルーダー /ブーンバックス
浅野いにお /素晴らしい世界
浦沢直樹 /PLUTO

花輪さんと小田扉は別格。
未単行本化のものでは、コミックビーム連載中のいましろたかし「ラララ劇場」が!




【マンガ以外】


メイ・サートン /82歳の日記
町山智浩 /底抜け合衆国、USAカニバケツ
末井昭 /素敵なダイナマイトスキャンダル、 スエイ式人生相談
磯部涼 /ヒーローはいつだって君をがっかりさせる
コニー・ウィリス /犬は勘定に入れません あるいは、消えたヴィクトリア朝花瓶の謎
野田努 /Rockers No Crackers
ECD /ECDIARY
大竹伸朗 /カスバの男 モロッコ旅日記
根本敬 /夜間中学
田中小実昌 /自動巻時計の一日
中原昌也 /ボクのブンブン分泌業
The Essential Disc Guide 2004
リチャード・ヘル /Go Now
ポール・オースター /Mr.ヴァーティゴ
パオロ・マッツァリーノ /反社会学講座
柳沢小実 /とっておきウィークエンド
ゲッツ板谷・天久聖一 /出禁上等!
サイモン・クーバー /サッカーの敵
いとうせいこう /ボタニカル・ライフ
瀬尾まいこ /図書館の神様
阿佐田哲也 /麻雀放浪記

田中小実昌は長い間絶版だったのが、やっと新装再発。どれもこれも素晴らしい。 
メイ・サートンはちょっと高いけどおすすめ。








【映画】

茶の味
俺のど真ん中ストライク! ヤー!



ほえる犬は噛まない
これもど真ん中。「ホテル・ニューハンプシャー」ノリだな。 ぺ・ドゥナ可愛い。



オールドボーイ
作っている人たちの「これしかねえだろ」という気概が伝わってきた。


らくだの涙
何も起こらなさが心地よかった。


スクール・オブ・ロック
それなりに。






■自己紹介をどうぞ

'75年生まれ 男 大阪在住
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日ハムファン






■今年はどんな年でしたか?
あの頃の僕より今の方がずっと歳食ってる」といろいろな意味で何度も何度も実感した。良いことだ。
・太って痩せて太った。
・iPod等々の導入で、音楽の聴き方がガラリと変わった。ランダム再生は楽しいわ。 でも、だからこそ、アルバム一枚通して聴くことの楽しさみたいなものを見直すことができたかな、とも思っている。 好きでもない曲含めて一枚付き合ううちに、「クソ曲」「穴埋め」「捨て曲」だと思っていた曲が、じわりじわりとだんだん好きになってくる感じとか...
・大阪でダウンタウンが見れないってのはどういうことだよー。