息こらえ時間と脈拍数の変動について

                             松下哲哉 

1.はじめに   

息こらえの研究については、いくつか報告されているが、今回は安静時息こらえ時間と脈拍数の関係について調査してみた。息をこらえている間には、はたして脈拍数は変動するのであろうか。  

2.被験者   

息こらえテストに慣れた、男子高校生5名、女子高校生5名の計10名。いずれも高校3年生である。また10名共運動系の部活動の選手である。  

3.実験方法   

まず、息こらえを1回行い緊張感をほぐし5分間の休憩後、1人ずつ息こらえテストを1回行う。イスに腰掛け大きく2回深呼吸後、大きく息を吸い右手で鼻をつまむ。口からは息を吐かないで、出来るだけ長く息を止める。あわせて左手の人差し指に全自動電子脈拍計を装着し(写真参照)、15秒ごとに1分間換算の脈拍を測定した。  

4.結果


 

男子A

男子B

男子C

男子D

男子E

女子A

女子B

女子C

女子D

女子E

息こらえ前

68
 

73
 

62
 

81
 

79
 

77
 

68
 

73
 

67
 

61
 

息こらえ15秒


71
 


75
 


59
 


76
 


71
 


67
 


69
 


62
 


65
 


57
 

息こらえ30秒


65
 


73
 


58
 


69
 


65
 


63
 


59
 


65
 


58
 


62
 

息こらえ45秒


61
 


78
 


56
 


66
 


63
 


68
 


60
 


62
 


69
 


61
 

息こらえ60秒


60
 


71
 


58
 


72
 


66
 


72
 


61
 


69
 


70
 


59
 

息こらえ75秒


68
 


71
 


55
 


69
 


59
 


69
 


63
 


65
 


67
 


63
 

息こらえ90秒


74
 


71
 


60
 


74
 


60
 


81
 


63
 


63
 


73
 


60
 

息こらえ105秒


67
 


76
 



 


75
 


58
 


81
 


60
 


62
 


73
 


59
 

息こらえ120秒



 


70
 



 


65
 


56
 


88
 



 


65
 


70
 


63
 

息こらえ135秒



 



 



 



 


55
 


90
 



 


66
 



 



 

息こらえ150秒



 



 



 



 



 


88
 



 



 



 



 

息こらえ直後
 


76
 


79
 


68
 


77
 


68
 


93
 


70
 


78
 


81
 


73
 

                                                    単位:回/分  

5.考察   

この結果から、息こらえ中の脈拍の変化は、次の6つのパターンが考えられる。@最初からほとんど変化しない者A徐々に減少する者B1回減少しその後徐々に上昇する者C1回減少しその後徐々に上昇し変化しなくなる者D1回減少しその後変化しない者E1回減少しその後不規則になる者, 被験者10人で6つのパターンでは特定することは出来ないが、全ての被験者に共通して言える事は、息こらえ開始1分以内に、一旦脈拍数が減少すると言う事である。それともう1つは、息こらえ終了直後に脈拍数が上昇する事である。脈拍数の減少には副交感神経、増加には交感神経が関わっているが、息こらえ終了直後の身体にはより多くの酸素が必要な事から呼吸数も増え、また心拍数も増加するものと考えられる。また頻脈の時に息こらえを行うと一時的に症状が改善される事も知られている。以上の事から非常に少ないデータではあるが、息こらえ中の脈拍数の変化は、個人差があるが共通点も見いだせる。

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