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最近、どこの旅行会社のパンフレットでも、激安バスツアーが花盛りです。
豪華な食事や様々な特典を謳い、ハデに装飾された激安ツアー代金がパンフレットを彩ります。
この内容でこの料金、よくこれで採算がとれるなと思われる方も多いでしょう。
そのカラクリは「コミッションと言う不透明なお金」でも触れましたが、ツアーの途中で立ち寄る土産物店やドライブインから入るショッピングコミッションにあります。
計算上は赤字でも、ショッピングコミッションで収益を出しているのです。
コミッションの金額は、ツアーの規模や内容により様々な契約がされますが、たいていの場合は、お客様1人につきいくらとかバス1台につきいくらといった固定額が殆んどです。
例えばあるドライブインが、お客様1人につき300円という契約を結んだ場合、40人のお客様が来たらたとえトイレだけで、売上がゼロでも12000円のコミッションを旅行会社に支払わなければなりません。
つまり旅行会社には、売上に関係なくショッピングコミッションが入るわけです。
ドライブインの方では高いコミッションを支払っているわけですから、売上が無ければ死活問題です。
当然、お客様に対して激しい売り込みをかけることになります。
さらに契約にはオプションがあって、当初設定した目標を達成した場合は、さらなるショッピングコミッションが科せられます。
例えば送客人員が1000人を超えたら1人100円プラス、2000人を超えたら1人200円プラスというように、どんどん額が上がっていくのです。
その上、ツアーに付くプレゼントの殆んどは、ドライブインが無償で提供しています。
ドライブインがなぜここまでの条件を呑んでまで旅行会社と付き合うのか。
それは道の駅が増えて一般客が減ったとかいろいろな要因がありますが、それは次の機会にお話したいと思います。
最近は添乗員が専門の別会社から派遣されて来る事が多いので、このような内情を知らず、行程がおしてくると簡単にショッピングの時間をカットしようとしますが、私達企画担当者からすれば観光の時間をカットしてでも、予定の時間を確保してもらいたいのが本音です。
ショッピングが無ければ、こんな格安な値段でツアーは成り立たないわけですから、お客様もあまり文句言わず、別に何も買わなくてもいいから、ちょっとの時間お付き合い願いたいものです。
次に食事の内容です。
松坂牛だとか松葉がにといった高級グルメを謳っているツアーが多いですが、本当にそれがブランドイメージどおりの良い物とは限りません。
松坂牛と言っても、高級霜降り肉から牛丼にしかならないスジ肉まであるし、松葉がにもセリで高値を呼ぶ高級品から形や質が悪くて、市場のスミで捨てられる寸前といった物までいろいろあるのです。
激安ツアーで使われるのは当然後者です。
まあ値段が値段ですから、こんなものだとお客様には納得して頂くしかありません。
お客様の方でも割り切っていると見えて、この事であまりクレームをもらったことがありません。
バス代や観光施設の入場代はかなりシビアです。
もうギリギリまで値切られます。
バス代の場合、人件費などの経費は、バスが動かなくてもかかるわけだから、普段仕事がない平日はガソリン代と経費分だけのバス代でもありがたいだろうという感覚です。
最近は、行政の規制緩和で新規参入のバス業者が増えて、競争が激化しているためより厳しい条件も通り易い状況にあります。
観光施設の入場代の場合はもっときびしくて、私達はいつも入場無料にさせる事を目標に値切っています。
お客様が売店でショッピングをすれば、施設には利益が出るのだから入場代はタダでもいいだろうと言う理論です。
このように激安ツアーでは、様々な施設にかなり厳しい条件を呑んでもらって成り立っているのです。
私個人としては、あまり無理を言うのは気が咎めるし苦手なのですが、会社からは交渉力がないと評価されてしまいます。
できれば企画力で勝負して、多少値段が高くても内容の本当に良い、もっと夢のあるツアーでお客様に旅を楽しんで頂きたいと思います。